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その昔、スタニスラワ・ワラシェビッチ(通称ステラ・ウォルシュ)という陸上短距離の選手がいた。
幼い頃にポーランドからアメリカに移住したが、ポーランド代表として1932年のロサンゼルスオリンピックに出場、陸上女子100mで金メダルを獲得した。
4年後のベルリンオリンピックでは銀メダルを獲得。
その後もアメリカに住み続けた。
が、不幸にしてこの数日前に強盗に会い、殺害された。
警察が司法解剖したところ、なんと男性だったことが判った。
先述のようにこの頃は、東西冷戦の華やかな時代で、旧ソ連や旧東ドイツには異様に筋肉の発達した陸上や競泳の女子選手がいた。
そのため、ドーピングで男のようになった女子選手のことを言っているかと勘違いをした。
が、しばらくして『女子選手のはずが、実は男性だった』という内容だと気が付いた。
翌日の新聞には『ステラ事件』の詳細と続報が書かれていた。
「男性だった」という第一報に対し、遺族が「ステラは、男性器と女性器の両方を持っていた」と反論したという。
要は、半陰陽=両性具有=インターセックスだったと家族は主張したのだ。
後にエリック・カーマーというオーストリアのオリンピック研究家が、ポーランド国内でステラ・ウォルシュの出生証明書を発見するのだが、女児として届けられている。
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