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1964年の東京オリンピック以前は、男子選手が女子選手になりすましてメダルを獲るも、後に男性であることが判り、メダルが剥奪された例がいくつかある。
そのため1966年に、「能力の平等さを保つ」を建前とした、セックスチェック(本当に女性であるか調べること)が行われるようになった。
この検査は、スポーツ史上類を見ない女性差別と言っても過言ではない。
何人もの医師の前で全裸になっての視認検査や、さらには直接性器を確認するなど行為が行われていた。
あまりに露骨なチェック方法に、選手からはクレームが殺到し、それを受けて、1968年のメキシコオリンピックからは、頬の内側の粘膜を採取する遺伝子検査が行われるようになった。
ところが、この検査方法だと、生まれながら染色体に異常のある女性が「男性」と判定されかねない。
生まれてからずっと女性として育てられてきたのに、DNA的には男性、あるいは半陰陽、インターセックス等であると判明し、オリンピックに出場できなかった選手が少なからず出てきたのだ。
そんな選手たちは急にケガをしたことにし、「棄権」という形をとり、ひっそりと帰国させられた。
日本人選手にも該当者がいたと言われている。
IOCは1999年になって、すべてのセックスチェックを中止した。
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