川口 2

1/1
前へ
/20ページ
次へ

川口 2

 首都高速を降りると、川口の車は近くの地下駐車場へと入っていった。  薄暗い駐車場に車を止めると、川口は背広を脱ぎ、ネクタイを外した。バッグからサラリーマン風のカツラを取り出し、三分刈りの頭にかぶる。さらに黒縁の伊達メガネを出してかけた。  辺りを見回し、人気のないのを確認してから車内灯をつけ、小さなバックミラーでカツラとメガネの状態をチェックする。  車を降り、駐車場を出ると、表通りでタクシーを止めて乗り込んだ。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加