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川口 2
首都高速を降りると、川口の車は近くの地下駐車場へと入っていった。
薄暗い駐車場に車を止めると、川口は背広を脱ぎ、ネクタイを外した。バッグからサラリーマン風のカツラを取り出し、三分刈りの頭にかぶる。さらに黒縁の伊達メガネを出してかけた。
辺りを見回し、人気のないのを確認してから車内灯をつけ、小さなバックミラーでカツラとメガネの状態をチェックする。
車を降り、駐車場を出ると、表通りでタクシーを止めて乗り込んだ。
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