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咲子と思いっきり喧嘩をしてしまった。
咲子も大変だったと思うけど、
私も本当に大変だった。
時期が悪かったね、お互いに。
何時も俊君や永ちゃん達のグループで何時も連んで遊んでいた仲間。
もう、会うこと無くなっちゃったかな・・・。
そう言えば、結局俊君からも、永ちゃんからも俊君の送別会の連絡来なかったな。
永ちゃんまだパパラッチしてるの?
何をしたいのか分からなくなっちゃったよ。
永ちゃん真実を写すカメラマンを目指すって言ってたのに、
それこそしがない会社員の課長をいじめて何か良いことあったの?
小阪若葉が帰りがけに言ってた
「必ずデザインの世界に戻る」
って言ってけど、服のデザイナーに戻るって事だよね。
課長は未定って言ってた。
未定はどう転がるのか分からない。
折角だから、課長が居る間にファッションの色々な事勉強しようかな。
デザインやパタンナーにはなれないけど、
課長に言ってみようかな。
受電の履歴から課長の番号を表示して掛ける。
「どうした?花木何かあったのか?捷か?!」
「ちっ違います。」
「どうした?」
「あ、あの・・・・ファッションのことも少し勉強しても良いですか?」
フフッと笑う声が聞こえると、
「分かった。」
「あ、あの、デザイナーやパタンナーは目指してませんし、なれる才能も無いことは分かって
ますから、安心してください。」
課長は黙り込んだように向こうの音が何も聞こえてこなくなった。
「あ、あの何か変な事言いましたか?」
「いいや。・・・花木らしい言い方だなと思って。」
「私らしい?」
「花木、今関わっていることに興味を持って知ろうとすることは悪いことじゃなし、
無駄な事じゃない。その意気で展示会かんばろうな。
俺もちゃんとやるから。」
「はい。」
・・・・・そうだった・・・・展示会・・・・墓穴掘っちゃった。
これ以上話すと絶対展示会の仕事増えそうだから慌てて切ろう。
「頑張ります。」
「ああ、・・・・あ、花木。」
「はい。」
やばい!!
「ありがとうな。」
お礼言われてしまった。
課長弱っている?
本当は大変だった・・・んだ。
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