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次の日から一気に展示会の準備を課長は始めた。
何時もの仕事をして、さらに展示会の準備をする。
私は言われた通りにするだけ。
「花木、招待状何時出来るって?」
「はい。今日持って来るって言ってました。
もういらっしゃるんじゃないでしょうか?」
「comprendre」
本当なら3週間前には渡して、お客様の興味のある物を聞き出して、
その品物の関係な物を揃えるのだが、
なんたって今回は招待状が1週間前、
お客様がスケジュールを調整してもらえるかどうかの状態。
兎に角来て貰えるようにしようと言う段階まで
落とすことになってしまった。
だから、余計に課長は必死で興味を持って
貰えるように商品を集めている。
「花木、悪いけど今日残業な。」
「はい。」
たぶん今週はそんな感じだよね。
小阪若葉が睨んでるけど気にしない事にした。
課長も必死にやっていることが分かったから、
少し睨まれただけで怯えることを止めることにした。
いちいち怯えていたら課長の補佐出来ないと気が付いた。
今日の分を早めに終わらせて課長から渡された
展示物キッドを作成する。
「へえー、思ったより花木手が器用なんだ。」
「あの、切って貼るぐらいならできます。」
課長はフフっと笑って自分の席に戻り作業を始める。
すっかり女性軍が帰り男性群が全員戻って来て
後処理をしている時間になると
課長は私の隣の席にやって来て作業の続きを始めた。
「課長、いただいた物終わりました。」
「ん?ああー、お疲れ。明日も続くからよろしくな。
もう、帰って良いから。」
私は課長に出来た品物を渡すと帰り支度をして、
着替えを終えると、
作業場に男性群に挨拶をしようと顔を覗かせ、
挨拶をすると、出口へ向かう。
出口を出ると捷さんが立っているのが見えた。
「捷さん?」
「よ!」
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