十六夜の月の下

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「杏!!ファッション関係だったけ?」 「う、うん 関係・・・・・。」 確か、課長があの時咲子に向かってそう言い切ったんだよね。 まぁ間違いではないけど・・・・・。 咲子は週刊誌見てないのかな? 「フィリップと知り合いだったの?」 あれ?しゃべってたの聞いてなかった? あの時さっさと会計を済ませて外へ出てたんだ。 「お友達で、仲良いみたいだけど。」 「えーっ!!そっち系?!」 は?あ、だめだめ!!二人とも誤解受けちゃった。 「違うから!!二人とも女性好きみたいだから。 ・・・・だとおもう。」 「そう。狙ってたのよね。 フィリップイケメンだしもてるし、セレブだし。」 なるほどね。 咲子って変わってない。 なんだか可笑しくなってきた。 「くすっ」 「何?何?私、何か笑える事言った?」 「ごめん。咲子は咲子のままだと思って。」 「何それ?杏のくせに!!」 「くせにってどうゆう意味!!」 「大人しく端に何時も居るくせに!!」 「はぁ?!」 なにそれ!! 端にいるって!! 「上司とオフィスラブしてんじゃないわよ!!」 「違うから!!」 「だよね。 何時だって人の恋の応援しかできなかったよね。」 ひど!!そんな風に私の事を見下げていたわけ!! 咲子に絶対この先の人生負けたくない!!! 「飲みに行くのが精一杯だよね。」 「何よ!!契約破棄されたから 私に八つ当たりしに電話してきたわけ!!  相変わらずサイテーな女してんだ。 男を仕事で捜したりして!!」 「杏なんてしがない会社員して しがない会社員の旦那探せば!!」 「悪かったわねしがない会社員で!! 2度と電話してこないで!!」 「杏なんかの声2度と聞かないわよ!!」 むかつく!! この3ヶ月間大変だったんだから!! 大変だったの咲子だけじゃないわよ。 泣きたい事一杯あったのに・・・・・。 課長に抱きついて泣いちゃったけど・・・・。 3ヵ月間フィリプさんの通訳してたの? 課長は何処に行っても働くところ有るんだね。 課長・・・・そんな凄い人なのに本当に私で大丈夫ですか?
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