オリオンの瞬き

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彼女はきっと助けたい気持ちが強いのかな? 色々な知識も私より色々持ってるし。 「良いか、俺が帰ってくるまでに ちゃんと俺が指定した通りに注文し直せ。 今からなら間に合う。 メーカーが直ぐ持ってくるから。 良いな、」 課長彼女を諭す様に話し始めた。 一通りメモをして、 課長は私を見た。 目が合い慌てて視線を机の上のボタンに落とす。 横に立ったのが分かる。 無視して数えるが、 課長の注文は種類が多くて数が少ないから 直ぐに数え終わってしまう。 ひとカゴ数え終わった所へ小さくカットされた生地を 2種類ほど置いた。 課長の顔を見上げると、 私が思わず抱きついてしまった時の様に 私の頭にそっと手を乗せると、 フランス語で話し始める。 最近良くこうされる。 うーん丁度良い高さ? でも、頭の上に優しく人に手を置かれるのってなんか安心を覚えるかも。 『花木、これは一般的に売られているもので、麻の混合と レーヨン混合の生地だ。」 生地の説明? 『既製品に多く使われているもので、 それぞれのデザインの雰囲気に合わせた使い方をする。」 そっか。 専門的な言葉が並んで行くが、課長の説明は分かりやすい。 『レーヨンの方はこっちのボタンを使用する。 色見本の生地が3色ある。 薄めで合わせてくれ。 同じ生地で柄違いはこっちだ。 種類が違うから気をつけろ。』 『はい。今一つだけ見本でもらいます。』 私は箱から一つ取り出し生地にテープで貼り付ける。
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