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覚悟はあるのか。そう目でも問う。やがて高橋さんはゆっくりとうなずいた。
「それでは目を閉じてください。絶対に目は開けないでくださいね」
高橋さんが目を閉じるのを確認して、彼のまぶたの上に手のひらをかざす。そして母から貰ったプロフィールの紙に書かれている相思相愛様の手引きをゆっくりと読み上げる。
項目は3つ。どれも内容が具体的だ。
高橋さんは丁寧にうなずいて聞いている。そして最後に――僕は鞄から小さな鈴を取り出し、チリンと一つ鳴らした。
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