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しばらくして決意がついたらしい。うん、と小さく呟いて
「俺、明日、言うよ、別れる、わ」
「別れたくないって言われたら」
透の頭が少し左右に振れる。
「見届けてくれる奴に嘘は言わねぇよ」
「そうか」
透の一言で玲司の胸の痛みも消えた。透に彼女がいなくなるということが少し嬉しかった。最低だと分かりながらも。玲司はそっと後頭部から手を放し、ベッドから降りる。
「じゃ、帰るから。あんま考えすぎんなよ」
「うん……ありがとう」
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