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学部ごとに式は行われ、この開場にいる人間は同じ学部ということになる。そのため互いに声はかけやすかった。
そして透とは学科も同じであったために、入学当初の行事である、健康診断やガイダンスを共に受け、それからのキャンパスライフも一緒に過ごすようになった。
そんな透からのメッセージは『近々メシでも食いに行こう』だった。
透も仕事に追われ忙しくしていると数ヶ月前の電話で聞いていたが、透の方も落ち着き出したのだろう。
「……メシか」
透に会えるのならば、明日の休日に「メシ」の二文字を入れても良いと思い、透に日程を聞き返す。
「おっと、いけね」
しかし明日はクリスマスだ。透に彼女ができているかもしれない。
ハッとなり、弁明の返事を打とうとすると、すぐさまOK返事が来て明日の夜は近所の居酒屋に行くことになった。
お互い地方の出身で、大学入学を機に、大学周辺で一人暮らしを始めた。就職してからも引っ越さずとも通勤できる場所に配属されたために、二人の家はまだ近いままだった。
玲司は心を弾ませながら、今日の夕飯は居酒屋メニューと被らないようミートスパゲッティに決めた。
翌日、グダグダする休日のはずだったが、透と会うということだけで一日の始まりが清々しかった。洗濯物を干し、部屋や風呂の掃除もして、家事に没頭した。
そうすれば早く夕方が来るんじゃないか、と待ち遠しく、そして、愛おしかった。
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