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芽衣の言っている意味が分からず僕がそう問いかけると、芽衣が小さく笑って、
「侑希の、こ・い・び・と」
どうやらこの僕よりも女顔の芽衣は、僕を恋人にしたいらしい……親友であるのに、と僕は考えてすぐに気付いた。
「冗談としては面白くないよ、芽衣」
「冗談じゃなくてさ。……実はね、僕も昔、そんな風に不思議な綺麗な子に会った事があるんだ。侑希と同じように夢の世界でね」
「! そうなの?」
「うん、銀髪に青い瞳の綺麗な子でさ……僕はその内また会おうって約束したのだけれど、でも、結局未だに再会していなくて」
「そうなんだ、また会う約束したんだ」
僕は最後に別れた時はもう会えないって、言葉だったから、芽衣のその約束は普通に羨ましく感じられた。
そこで更にゲーム内に獲物が来たので攻撃を僕は開始する。
芽衣がゲーム画面に目を落としたまま、
「うん、でも、こんなになるまでまだ会えないから、僕も諦めようかなって。だから、侑希、僕の恋人になってよ」
「え、なんで? だって……」
「きっとその人の次に僕は侑希が好きだから。きっと付き合っていたら、一番大好きな人に侑希がなると思うし」
「でも、嫌だよ僕。だって、僕、巨乳の女の子が好きだし」
芽衣の言葉に僕は返した。
夢の中で出会ったあの子以外に僕が一番好きなのは、やはり可愛い女の子なのだ。
女の人のおっぱいには夢が詰まっている、そんな風に思えるくらいに僕は大人の男になっていたのだ!
けれどそんな風に思っているのが僕の表情に出ていたのか、それとも芽衣の申し出を断ったせいなのか、芽衣はむっとしたように、
「……いらっとしたから、冗談のつもりだったけれど、襲って本当の恋人にしてやる」
「え、ちょ、やめ、くすぐったい、やだやだ、このっ」
「ふにゃ、くすぐったいというか、よくもやったな、こうしてやる!」
そうやってくすぐりあったりして、僕達が仲良く喧嘩している所で、そこで声が聞こえる。
初めは気のせいかと思ったけれど、
「……汝、名前を告げよ」
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