彼に連れて行ってもらうことに

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 声が聞こえたと思うと同時に、目をつむっていても感じた光が消え去るのを感じる。  それとともに頬を撫ぜる風や土、そして森の緑の匂いがする。  ふわっと香るそれに恐る恐る目を開くと、目の前には木々が一杯生えている森の様な物がある。  次に僕は地面を見ると、スリッパを履いた状態の僕の足が目に映る。  せめてこんな場所に連れてくるなら、もう少し準備をさせてくれてもいいじゃないかと僕は思った。  そこでふと、人の気配を感じて僕は振り返る。  立っていたのは、旅装束? のような、薄汚れた濃い緑色の布をかぶった男だった。  頭まで布で体を覆っているが、顔の部分は少し開いているので、髪の色と瞳の色は見える。  髪の色は金色で、瞳は雲一つない蒼天を映したかのような瞳。  懐かしい色のそれらに僕は、ぼんやりとその……男と思われる背の高い人物を見上げた。 「えっと、どちら様ですか?」 「……」  沈黙するその人物。  そういえば先ほどまで光の中に僕はいたので、彼には突然、目の前に現れたように見えるかもしれない。  そう思ったものの、今の状況を彼に説明するのは難しいし、そもそも信じてもらえるのかと思う。  でも、何となく僕は目の前の彼に頼ってしまいたくなった。  理由は分からないけれど、目の前の彼には僕を惹きつける何かがある気がする。と、
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