彼に連れて行ってもらうことに

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 怪しいおじさんに連れて行かれそうになっていた僕を助けてくれたのは、先ほどの男だった。  その貴族か何からしい男は、私にこんな事をして許されると思っているのかと叫んでいたが、助けてくれた彼が剣を向けると大人しくなって馬車の中に入ると急いでいずこかへと走りさっていった。  助かった僕は安どする。  そしてそのまま僕は、一番初めに出会った彼に手を引かれて道をゆく。  馬車の進行方向と反対ではあったけれど。 「あ、あの、助けてくれてありがとうございます」  お礼を言うと、目の前の彼は僕に向かって、 「……どうして抵抗しない」 「え? で、でも抵抗はしていましたけれど……」  それを聞いて目の前の彼は少し考えてから、 「……異世界の人間は、この世界に来ると何らかの固有の魔法が使えるようになる」 「ええ! そうなんですか? どうやって?」 「俺が知るわけ無いだろう。その世界のその人物が一番身近にイメージする"魔法"が使えるようになるらしい」
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