11/11
前へ
/229ページ
次へ
 不細工でもなければ、美男というわけでもない。  あまり人の記憶には残らなさそうな、凡庸な顔立ち。  見た目の特徴といえば、それなりに長身なことくらいかもしれない。  育ての親である祖父が茶道をたしなみ、祖母が華道をたしなんでいて、凌はそれらを習うことはありすれ、運動はさほどしたことがなかったのに、ひょろひょろと背が伸びた。  子どものころは司書になりたかったが、その夢は後回しだ。  いまは、この街で友人の帰りを待ち、年下の恋人の成長を見守りたい。  窓の外では不夜城とも称される、新宿の街が、宵闇に包まれていく──。  不夜城に眠る恋人 end     ◆ ◆ ◆ ※続編「皇帝という名の虜囚たち」https://estar.jp/novels/25480119  本当の綾世くんはいまどうしているのか?どこにいるのか?について書いています 気になる方はぜひ読んでみてほしいです.:。+゚
/229ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1985人が本棚に入れています
本棚に追加