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そう言うと、
「せんせー?どっかにいっちゃうの…?」
たくと君は、俺の顔を見上げながら服の袖をキュッと掴んだ。
俺がどこかに行ってしまうと分かったのか徐々に涙目になっていった。
「た、たくと君?ちょっと別の所に行くだけだからな?ほら、あのお兄ちゃん達がたくと君の兄ちゃんの所まで連れて行ってくれるってよ!」
これで泣かないだろうと思っていると…えっ、
「…グスッ、じぇんじぇいじゃなきゃいやだ~ッ!じぇんじぇいどっかにいっぢゃやだよぉ…ヒック。じぇんじぇいがどっかにいくならぼぐもいぐぅ…グスッ。」
悪化しただと…?!ど、どうしようw
たくと君は、俺の脚にどこから力が出てくるんだってくらいの力でしがみついてきた。
「先生、、、大丈夫ですか?あれだったら一先輩の弟さん無理矢理引き剥がしましょうか…?」
む、無理矢理なんて言葉が出てくるなんて…、恐ろしい子っ!←
まぁ、冗談は置いといてw
「いや、もう一旦あいつらの事は放っておいて、たくと君を一の所まで俺が連れていくわ。お前らは、初等部の奴ら連れて部屋に戻れ。」
俺の顔を不安そうに見ながら中等部と初等部の奴らが部屋に戻って行った。
さてと、
「ほら、たくと君?どっかに行かないから俺と一緒に兄ちゃんの所まで行こうな?だから泣きやめ。」
俺はたくと君の頭を撫でてやりながら優しく言ってあげた。
しかし、たくと君は一向に泣き止まない。
しゃーない、俺はたくと君の両脇を掴むとぐいっと上に持ち上げ、たくと君を抱っこしてあげた。
「おら、たくといい加減泣き止め。男ならその位で泣くんじゃねえ。兄ちゃんにそのブサイクな泣きっ面みせるつもりか?」
やべwたくとに君付けるの忘れてた…。
まぁ、いっかw
俺はたくと君をあやしながら背中をポンポンした。
「…だって、ッグス。じぇんじぇいがどっがにいぐっていうがら…ヒック。ウゥッグス、ヒック…グスっ。…ズビッ、…、………スゥ、…スゥ、スゥ」
泣き疲れたのかたくと君は寝てしまった。
ホールで暴れまくっている奴らをどうにかしないといけないので、たくと君を一の所まで連れていくか…。
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