海の中で溺れている。

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海の中で溺れている。

(ここがきっとわたしの最果て) 海の中でどうにか 月になりました いつか書いてた詩のメモ書きを 海に流しちゃったから 誰にも読まれなかった わたしの詩が今日も不幸 海の中で呼吸をするの 肺呼吸を忘れてしまって エラ呼吸みたいななにかで しおからい液体を吸い込んで 海中から見上げたら きっとなにかが綺麗でしょう きっとなにかがうつくしいでしょう それを詩としてうたいたかったの うたいたかったの もう骨すらないから わたしは漂うだけ もう肺もないから わたしはうたわない もう夢もないから わたしの足は役立たず もうなにもないから わたしは海の月 水槽の中でライトアップされた くらげが今日も可哀想で せめて海の中で死ねたらいいのに そんなことを頬杖ついて考える わたしのせいと全て知っておきながら
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