第一章 漂流記

3/26
前へ
/215ページ
次へ
 車が落ちている隙に、外に逃げ出すしかない。 今ならば、封印の布が落下で揺れていて、やや封印が緩くなっている。  俺は、志摩に食べられている状態で、志摩は箪笥の中に封印されていた。 志摩は、封印の隙間から手を出すと、トラックの荷台から外に飛び降りた。 「逃げるな!」  封印していると安心して、荷台に置いておいたほうが悪い。  落ちてゆく瞬間に、封印していた布が飛び、俺は志摩から飛び出した。 俺が先に地面に着地し、志摩の箪笥が壊れないようにキャッチする予定であったが、 しかし、それ所ではなく、ドブンと沈んだ。
/215ページ

最初のコメントを投稿しよう!

201人が本棚に入れています
本棚に追加