6、帰って来たセフレ

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 「なに急にマジメになっちゃってるの? 今まで、そんなことしなくっても、現場で余裕でできたって言ってただろ。昨夜だって、キスマーク気にしてさ‥‥。らしくないんだけど」  「今回は、やらないとダメなんだって‥‥」  「それ、誰のため?」  「はあ?」  「他に、遊んでくれる男でもできた?」  藤野が、探るように顔を覗き込んでくる。  東條は、「それはお前だろ」と言いたい言葉を飲み込んだ。  「そんなわけないだろ。俺の体を慰めてくれるのは、凌二だけだって。だから、海外にいるってわかってて、メールしたんだ。だけど、今回ばっかりは、肉体改造が必要でさ。俺だって、もっとヤリたいんだよ。お前、今度いつ体が空くか分からないし‥‥」  素直に答える東條に、藤野は、「フフフッ」と意味ありげに笑うと、「呼んでくれたら、いつでも来るのに」と、ニヤついた。  こんな時にも、藤野の余裕を感じる。  苛立っているのは自分だけかと思うと、また自己嫌悪に陥りそうだった。  東條は、わざと時計を見て、話題を変えた。  「遅れると、トレーニング追加になるんだよな。俺、もう出るわ。部屋は、そのままでいいから。また、そのうちな」  一方的に話すと、東條は、車のキーとスポーツバッグを抱えて部屋を出た。
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