第一章

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今はもうだれも、そんな話はしなくなりました。 だから、あえて私が声を大にして言います。 ビートルズ解散の最大の痛手は、ポールから、まだまだ生まれたであろうスタンダード・ナンバーを奪い去ったことである。 【ポール派宣言・その2】 わたしは、ビートルズのポールにこだわり続ける。 このこだわりは、わたしだけなのだろうか。 いまの若いビートルズファンには、ありえないこだわり。 ビートルズ時代のポールと、その後のポールと、 両方をリアルタイムに見て聴いたファンだけが持つこだわり。 結論から言うと、ビートルズ時代のポールとその後のポールの作った楽曲の質が明らかに違うと言うこと。 音楽なんて主観的なものだから、どちらが良いとか悪いとか点数で決められるものではない。 100人に聞けば100人の意見が違うし、特にポールの場合、曲のバリエーションが多いのでファンの好みも多様だ。 エンターテイナーとしてみれば、ウイングス時代のポールは、ビートルズ時代を超えたと言えるかも知れない。 そこで、わたしがこだわる『ものさし』を明確にしておかなくてはいけないと思う。 その『ものさし』は、ずばり『スタンダード・ナンバー』だ。 そうすれば、現時点でのはっきりした答が見えてくる。 ビートルズ時代のスタンダード・ナンバー Yesterday, Michelle, Hey Jude, The Fool On The Hill, Let It Be, The Long And Winding Road 控えめにあげても、これだけある。 ソロ(又はウイングス)になってからのスタンダード・ナンバー   My Love 1曲のみ(しかも大甘) もちろん、ビートルズで出すのとウイングスで出すのと、大きなハンディキャップがあったのは間違いない。 事実、隠れた名曲はいくらでもある。 仮にビートルズ名義で出ていれば、スタンダードになったのではと思う曲もたくさんある。 しかし、そうはならなかった。 ビートルズ解散を生で知っている方は、当時にタイムトリップしてみてほしい。 当時、ポールファンでなくても、ビートルズのメンバーで、ソロになっても変わらず名曲を次々と出してくれるのはポールだと思ったはずだ。 確かに、徐々に本来の才能を発揮して、一番成功したのはポールだろう。 エンターテイナーとしては申し分ないだろう。 しかし振り返ってみて、どのくらい心に残る曲があるだろうか。
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