第一章

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【ポール派宣言・その5】 最近、いくつかのビートルズファン・サイトの掲示板を拝見していて、あることを確信しました。 それは、ビートルズが確実に次の世代に引き継がれていることです。 ビートルズ世代を親に持つ10代の子供達が、ビートルズに夢中になっています。 いえ、その子供達の親でさえ、おそらくリアルタイムにビートルズを知らない世代でしょう。 ビートルズが解散して早や34年。(2004年現在) 当時、「ビートルズの音楽は百年二百年経っても、クラシック音楽のように生き残る」と言われていましたが、すでにそれが証明されたようです。 とてもうれしく思う反面、複雑な思いもあります。 その若いビートルズファンの子供達は、ビートルズは知っていても、ソロやウイングスのポールの曲や、ソロのジョンの曲を知らない子が多いのです。 10代のビートルズファンにとっては、ビートルズはあくまで『プリーズ・プリーズ・ミー』から『レット・イット・ビー』までなのです。 わたしにとっては、ウイングスのポールや今のポールも、ビートルズの一部やビートルズの延長上のものとして捉えることができるのですが。 おそらく、これから先もビートルズは世代から世代へと引き継がれていくでしょう。 ジョン、ポール、ジョージ、リンゴも、ビートルズのジョン、ポール、ジョージ、リンゴとして記憶されていくことでしょう。 それに反して、ソロになってからの4人の曲は、おそらく忘れられるのではないでしょうか。 辛うじて、生き残るのはジョンの「イマジン」くらいでしょうか。 そのことがわたしは、大変残念で悔しいのです。 たしかにビートルズが解散してからのポールの歌は、甘いところばかりが目立つかも知れません。 ビートルズの頃のように、ジョンの辛辣さや激しさが加わればと思わないこともありません。 それでも、ソロやウイングスの歌には、等身大のポールを見ることができます。 身のまわりの自然や愛について唄う。それがポールなのです。 ポールのアルバムのなかには、隠れた名曲がたくさん埋れています。 ビートルズの頃の歌のようには自己主張をしないで、ひっそりとアルバムのなかにたたずんでいます。 どうか10代のビートルズファンの皆さん、ポールのアルバムを1枚づつ聴いてください。 そして、名曲の宝探しをしてみてください。
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