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その後はナツミの買い物に付き合って、帰りはハルナが彼女を家の前まで送り届けた。最寄り駅から彼女の家までは歩いて二十分ほどの距離があり、途中に街灯も人通りもあまり無い。暗くなってからは女性一人では危ないので一緒に出かけた帰りはこうして家の前まで送り届けている。
「今日は楽しかった。またどっか行こうね」
ナツミが笑顔を見せる。
「次はゆっくり家でのデートがいいな」
「ダメ。そんなことしたらハル君、一生家に居るから」
その言葉にハルナは軽く笑い、別れを告げた。
ナツミは遠ざかる彼にしばらく手を振ってから玄関のドアを開け自宅へと戻っていった。
それが彼の見た元気な彼女の最後の姿だった。
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