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「……な、なんだ?」  ヨウちゃんも、後ずさり。 「あっ! 中条君、やっと帰ってきた~っ!」 「って、和泉さんもいる~! サイアク。やっぱり、隠れて、中条君につきまとってたんだよっ!! 」  カウンターに座ってるのは、ツインテールの女の子と、眉毛がきりっと太い女の子。  やっぱり、うちのクラスのリンちゃんと青森さんっ! 「ね、ねぇ。ヨウちゃん、どういうこと?」  ヨウちゃんのウインドブレーカーを後ろからつかんだら、「オレだって知らねぇよ」って、耳打ちされた。 「前に、女子たちに、店やってることがバレたって、言ったろ?」 「そ、そうだったっけ?」 「ちょっと、和泉さんっ!!  なに中条君に、くっついてんのよっ!! 」  リンちゃんが、イスからおりてくる。ぐいって肩を押されて、あたし、ヨウちゃんから、引きはなされる。 「中条君ちがカフェはじめたこと、ちょっとわたしたちより先に知ったからって、いい気にならないでくれるっ!?  ど~せ、お客さんの立場利用して、しょっちゅう中条君の家に入りびたってたんでしょっ! 中条君もお客さんだから、イヤだけど、つきはなせなかったんだ。かっわいそ~。それって、ストーカーと同じじゃん。もうちょっと、人の気持ち考えて行動したら?」 「……ち、ちがうもん……そんなんじゃないもん……」  でも、強く言い返せない。  だって、すでにフラれてるのに、つきまとってるのは、たしかだし……。
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