6人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
十三夜
彼女が縁側で
ぼんやり月を見上げてる
それをぼんやり見てる
ほのぼのした時間が
好きだった
そんな僕に
彼女はようやく笑いかけ
「綺麗ね」と囁いた
少しはにかみ
ほのか嬉しそうに
伸ばせば届く手を
何度も何度も握りしめ
彼女に笑みを返す
庭先に降りると手招きして
握りしめた僕の手を包む
彼女の両手が優しくて
この手を
守りたいと
泣きそうだった
最初のコメントを投稿しよう!