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三十日月
雪に埋もれた髪の毛を
ぽんぽんはたいて笑う声
傘を差し掛け
彼女は笑顔で泣いていた
「あなた、ばかね」
何度もそう繰り返し
彼女の指先が僕の頬に触れ
気付いたら
彼女を胸に抱いていた
背に回された手は強く
ほどけない
まだ想いだけ
お互い何も知らないけど
明日も縁側で
きみと月を見上げてたい
明後日も
その翌日も
ずっと
ずっと・・・
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