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「大丈夫だって。僕は今のままでいたいんだよ。なんとでもなるよ」
冬真はへらっと軽い調子で返してくる。どうしてこんな風でいられるのか、本当に理解に苦しむ。
「……。なんとでもなるって、だから具体的なプランを聞かせてくれって前にも言っただろ。ちゃんとあるの？将来に対する展望は」
「あるわけない」
即答だ。悪びれる様子もない。
「はあー…もー…ばかだなぁ。なんでそんなにばかなの間宮は。ほんとに、ほんっとにどうしようもないよな…」
心配で心配で堪らなくて、あまりにも心配すぎて、こちらは冬真の将来を思うといつだって胃も頭も痛くて仕方がないというのに、自分が何もできない事がもどかしくて仕方がないというのに、言われた本人はなぜか楽しげに笑い出した。
「…あはは」
「…何？」
「僕そうやってね、宗司くんにばかだなぁって言われるの好きなんだ」
うれしそうな声で言われたその言葉に唖然として隣を横目で一瞬だけ振り返る。笑ったままの横顔。
「ええー…何が？ばかばか言われて喜んでるの？なんでだよ」
「だってすっごいやさしい顔して言うじゃん。そんなこと」
「………」
あまりにも幸せそうに言うので、何を言ってるんだこの男はとびっくりして思わず言葉に詰まってしまって、そしてすぐに降参した。
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