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大切に思うって、たぶんこんな事をこんな風に願えることじゃないのかな。
大切に思うって何なの、と最後の日に泣いた宗司の問いに、今になって答えを出す。
そんな事を考えながら、誕生日のプレゼントに宗司にも幸せへの可能性を分けてあげようと、手に持ったままだったブロッコリーからごく小さくひとふさだけ折り取る。
そしてそれを風船の紐の先にくくりつけると、冬真はようやくその風船から手を離して、宗司につながる青い空へと飛ばした。
終
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