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3.ため息混じりのにらめっこ
ず、とまるで割り込むように、宗司の体がうつ伏せている自分の中に入ってくるのを、歯を食いしばって耐える。
もう既に何度目かになる、みしみしと無理やりこじ開けられるような感触。痛いのと苦しいのとで知らず知らずのうちに前に逃げてしまうのを、捕まえに来た手に引き戻される。
「…痛い?」
耳元で宗司がたずねる。やめる気などさらさら無いと言わんばかりに、そのままかぷりと耳たぶを優しく噛まれて、冬真はぎゅっと目を瞑りながら、四つん這いになっている自分の手の甲を強く噛んだ。
「力、ちょっと抜ける?」
できたらとっくにそうしてる。宗司は冬真のがくがくと震える肩から腕までを、なだめるようにさする。こちらを気遣ってか、中途半端なところで一旦侵入を止められている状態なのが、余計につらい。
「や、宗司く、あ、待っ、死んじゃう、死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ、ほんとに」
「…それは褒めて、ないねー、全然」
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