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「あ、ごめんなさい……」
コーヒー一杯で長居をする迷惑な客になってしまった。
トウコは罪悪感と、居眠りしてしまったことに恥ずかしさを覚えて、顔から火が吹きそうになって俯く。
「あ、いや、大丈夫! 大丈夫ですよ!」
謝られて恐縮した青年は慌てて手を振る。
「お嬢さんの疲れを少しでも癒すお手伝いができれば、俺は本望ですから」
再び見上げると、真剣な眼差しとカチ合う。
そんな眼差しを向けられれば、少なからずドキリとするわけで。
そのドキリが何なのか、トウコにはわからなくて。
「え、と……」
一度は引いた顔の熱が再び戻ってきそうだ。
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