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小話:卯月堂の定休日は木曜日
木曜日は卯月堂の定休日だ。
雲がほんの一つ、二つ浮かぶような青い空が広がっている。
しかも、まるで仕組まれたように祝日だった。
今日は家族が揃って自宅兼カフェに揃っている。
「んー……」
窓際の傍に置かれたソファ席ではナオヤが両手を組み、上に大きく体を伸ばした。
ぽかぽかとした日射しの中、目を細める彼の顔は、日向ぼっこを満喫する猫のそれに似ている。
「いい天気だねぇ……」
そのとき、上からにゅっと腕が視界に入ってきた。
手には白いマグカップが収まっている。
「あ、ありがとー……」
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