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 あまりにもかしこまったジュリアンがおかしかったが、皓は吹き出しそうになるのを何とか堪えた。そんな事をしてしまったら、悪気はなくとも傷付きかねない相手だということくらい、既に察していた。耳まで真っ赤にして縮こまったジュリアンはその場で黙ったまま俯いてしまった。大人しそうな上に、学校に不慣れなジュリアンは、話しかけるタイミングを掴めずにいたのだろう。しかも、一番ジュリアンをかまっていた新太が今日は休んでいる。もしかしたら昼休みをどう過ごしたらいいのか分からないのかもしれない。 「アラタは昨日のゴウコンで疲れたから、今日はサボってる」  皓がそう言うと、ジュリアンは何か答えようと口を開いた。だが、彼が何か言う前に、おずおずと紘明が寄ってきた。 「よ、よう」 「こんにちは……えっと……名前、難しくて……ごめんなさい」 「あぁ、ヒロアキ。ヒロって呼んで」  顔は覚えていたようだったが、四文字の日本人の名前は扱いづらいのだろう。前の留学生スティーブと同じように、ヒロと言われてジュリアンもピンときたようだ。 「い、一緒に、食堂、行く?」  紘明はテストの点は良いのだが、スピーキングはあまり得意じゃない。スティーブの帰国後、授業以外で使う機会が減った分、余計に退化の一途を辿っていた。 「嬉しいけど、ベジタリアンなんだ。食堂にはベジタリアン食がないって聞いたから、サンドイッチを作ってきたんだけど……。持ち込みはできないんだよね?」     
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