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「……観光客によく写真撮られたよ」  笑ってくれたのが嬉しくて、つい余計に喋ってしまう。 「だろうな、可哀そうに」  そう言いながら、堪えきれないというように皓はくっくっくと笑った。 「か、可哀そう?」 「いや、なんでもない。それより、ベジだったら日本じゃ大変だぞ」 「日本人は驚くって聞いてたけど、コウは驚かないんだね」  日本に行くと同意してから珍しく饒舌だった父親に、日本では菜食主義が定着していないので、しっかり説明しないと何を食べさされるか分からないと聞いていた。 「俺みたいなのは珍しいと思う。日本ではあまりベジタリアンは定着してないからな。ヒロみたいなのが普通の反応だ」  ジュリアンは自分で作ってきたサンドイッチを取り出した。移動している間に、ぺちゃんこになってしまっていた。 「エッグサンド? 乳製品はオーケーか。ヴィーガンじゃないなら、まだ何とかなるか」 「そんなに食べる物ないの?」  ちょうど、皓が特大のカツサンドにかじりついているのを横目にジュリアンは聞いた。     
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