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「よく言われるけど、お前みたいな珍しいのに言われたのは初めてだ、かわい子ちゃん」
ジュリアンはポカンとして、皓のからかうように煌めく瞳を見上げた。
「か、……かわ……?」
「悲壮な顔すんなよ。お人形さんみたいだから、つい。……それで腹いっぱいになるか?」
「いや、コウが食べ過ぎなんだと思う」
皓の持っていたビニール袋には、最初五つほどのパンが入っていた。
「ところで、すげえハッキリした発音するよな。イングランドは階級によって発音が違うんだろ? お前は大事に育てられてそうだな」
「階級制度のこと知ってるの?」
父親から、イングランドの階級社会について、クラスメイト達は何も知らないだろうと聞かされていたジュリアンだが、思いの他、詳しい人もいるらしい。
「よくは知らない。アメリカの学校にイングランド人の友達がいた。そいつの英語はお前とはまた全然違ってたけどな。今時、階級なんて差別かよって、びっくりしたけど、そういうわけじゃないんだよな」
「うん。理解しにくいよね。昔は差別的と言えばそうだったし」
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