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つんと上を向いた鼻が印象的な、とても同い年とは思えない童顔を真っ赤にしている様子は、憎めないサルにしか見えない。ぞんざいに扱っても堪えない新太は、皓にとって付き合いやすい友人だ。何故か分からないが、陽気に首を振って謎の鼻歌を歌い始めた。そんなことをすると余計にアルコールが回りそうだ。
「お前が大丈夫かよ……」
「あぁ?」
新太は背伸びしてほとんどダイブするように皓の肩に腕を回した。普段そっけない皓が仲間達から頼りにされる理由は、根の人の良さだけではなく、その容貌にもあった。一八五cmを超える長身に恵まれた体格――自由な校風につけこんで、肩にかかるまで伸ばされた無造作な鳶色の髪に、それが似合う彫の深い、少し冷たい感じさえするほど整った顔立ち。まさに男がなりたいと思う男そのものだ。
「水飲むか?」
「いーやっ、俺は平気だっ! お前、その見た目でそういう優しいこと言うから女はホイホイされんだよ、ちくしょー! むかつくぜっ!」
「離れろって。ジュリアンに無理矢理呑ませたりしてないだろうな?」
「するかよー。覚えてる限りじゃ、ほとんど飲んでねぇぞ」
「俺ら未成年なんだぞ。ややこしいことはごめんだからな」
「うっせぇなぁ、イギリスじゃ、飲んでいいって言ってたぞ」
「ここは日本だ。二十歳からだ」
「コウがそれ言うかぁ?」
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