50人が本棚に入れています
本棚に追加
/242ページ
「河村さん、また会議の書類忘れたんですか?」
バックヤードにやって来た涼子ちゃんに見下ろされ、僕は椅子に座ったまま「かなあ」と、笑ってみせる。
「かなあ、じゃないですよ。前に、これで最後って言ったじゃないですか」
「だった、かなあ」
また笑うと、涼子ちゃんは「もう」、うんざり顔をしかめる。
「昨日は休みでしたよね? 何してたんですか?」
「……なんだったかなあ」
まさか一日中、爆睡してました、とは言えない。
涼子ちゃんはまた「もう」、顔をしかめると、バックヤードから出て行く。
怒った顔も可愛いな。
とは言え、前に響くんいるからな。
きっとまた、何か言うんだろうな。
それはちょっと、困るなあ。
最初のコメントを投稿しよう!