ACT 1

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「河村さん、また会議の書類忘れたんですか?」 バックヤードにやって来た涼子ちゃんに見下ろされ、僕は椅子に座ったまま「かなあ」と、笑ってみせる。 「かなあ、じゃないですよ。前に、これで最後って言ったじゃないですか」 「だった、かなあ」 また笑うと、涼子ちゃんは「もう」、うんざり顔をしかめる。 「昨日は休みでしたよね? 何してたんですか?」 「……なんだったかなあ」 まさか一日中、爆睡してました、とは言えない。 涼子ちゃんはまた「もう」、顔をしかめると、バックヤードから出て行く。 怒った顔も可愛いな。 とは言え、前に響くんいるからな。 きっとまた、何か言うんだろうな。 それはちょっと、困るなあ。
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