ACT 1

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小柄な涼子ちゃんは、男子の、ごくごく平均的身長の僕をいつも大きく見上げてくれる。 いやまあ、必然的にそうなんるのだけど。 小さな顔に、魅惑的な大きな瞳が僕を捕らえた瞬間、妄想の嵐が一気におしよせてしまう。 ……もちろん、僕も男だからね。 そしてその行方に、僕はいつも一喜一憂してしまうんだ。 だから……すぐ、気付いた。 涼子ちゃんが、響くんのことを好きだってこと。 響くんは1年前に僕が採用した、近郊の大学に通う二年生だ。 って、年下?  しかも4つも?  え、そっちがいいの?  年下がいいの?  だったら僕、全然ダメじゃん。 6歳上の僕は、恐ろしく落ち込んだ。 だってこの条件は、どうしても改善できない。 自分の力じゃ、努力じゃどうにもならない。
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