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挙動不審になりかけた時、机の隅に置いてあったスマホが、一回バイブする。
ーーこんな夜中にメールを送ってくるのは、美月ぐらいだ。
きっと、目が覚めたんだろうな。
美月は夜中に目が覚めるといつも、どうでもいいLINEのスタンプを送ってくる。
昨日はカワウソが、あー眠い、って言ってるスタンプ。
本当に、どうでもいい。
だから僕は気にせず「明日......もう今日だけど、クローズだったよね」、挙動不審を隠すように声のトーンを上げて言った。
でも涼子ちゃんは「そうです」と、急に素っ気ない。
いや、今までも素っ気なかったよ。
でも更にって感じ。
だから僕は思わず「ち、違うんだよ」と言葉を重ねてしまう。
「ほ、本当に、資料の用意ができてなくて」
いま一番知られたくない《罪悪》を口にした僕を見て、涼子ちゃんが首を傾げる。
あれ、これじゃない?
じゃあ白状しちゃダメだな。
――思った時、またまたスマホがバイブする。
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