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ちょっと浮かれそうになったけど、「河村さんは、明日……というか、今日」と、話を大幅に戻されてしまう。
「朝から会議ですね」
「まあね」
「早く帰って、少しでも寝たほうがいいですよ」
涼子ちゃんはそう言いながら、さっさと立ち上がる。
あ、もう行くの? もう少し喋って行けば? 何だったらコーヒー煎れるけど?
一人でざわざわしながらも、あ、僕は思い出す。
「――そう言えば。涼子ちゃん」
僕の声に、ふと涼子ちゃんは少し緊張したような眼差しを向ける。
その顔を見て、前の時も――先月の大雪の日、手伝って貰った時も――帰り際に声をかけてこんな顔されたな、と思い出す。
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