合戦一日目;浪人武将と7歳少女との出会い。

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少女は今ここにいる。 「お願いします。私を弟子にして下さい!私は……ちちの仇を……とりたい!」 怒りと憎悪に満ちたその表情からは、少女の面影はどこかに消え去っていた。 少女の弟子入りがどれだけ本気なのか、理解した俺は少女に向かって言う。 「……わかった」 「……?」 「それじゃあ、今から試練を与える」 「!?」 「それに合格できたら俺の弟子にしてやる」 「……はいっ!」  少女の顔つきは、それは戦場にたつ武将そのものだった。  俺たちは家を後にして、ひと目につかない木々に囲まれた丘の上に移動した。 俺は手に持っていた木刀を少女に渡す。 「ここで俺と一対一の勝負をする。それを一発でも俺の体に当てることができれば、弟子入りを認める」 「ほっ、ほんとですか!?」 「嘘は言わない。その代わり、一発も当てることができなかったら、弟子入りは認めない。」 「……」  無言で頷くと、俺達はお互いに距離を取る。 「それじゃあ、いつでもかかってこい」  少女は背筋を伸ばし、俺をまっすぐと見据える。木刀を握る手に力が入る。 辺りは一瞬で静まり返った。聞こえるのは、木々が風に揺れて擦れ合う音だけ。 空中で少女の視線と俺の視線が火花を散らす。どちらが先に仕掛けるか、無言の駆け引きが続いた。 ……こっちから仕掛けるか。
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