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彼女が異変を感じたのは、数週間後だった。
(……あれ。生理が来ない? そう言えば、いつから来てないんだっけ)
ぼんやりとカレンダーを追っていた敦美はギクリとなった。ある予感に、半ば確信を持っていた。ドラッグストアに行って、妊娠検査薬を買ってきた。
結果は、陽性。
(ユージィンの……)
男に避妊用具を付けないでくれ、と頼んだのは敦美だった。
『忘れてしまいたいの。お願い、今は安全日だから!』と。
安全日の筈だった。
しかし、100%正確であった訳ではない。子供を作りたくないなら、性病の危険を考えたら、大丈夫な日でも避妊してしかるべきだった。
(ユージィンは外に出そうとしてくれてたのに)
彼がとうとう射精する時も、脚を絡めて中に出すよう強要したのは、彼女だった。
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