優しい時間

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 夕人はちらりと時計を見た。 (もう30分は過ぎている)  シャワーが流れる音がし、跳ねている音が不規則にしている。体にずっと充てていて、眠り込んでしまった訳ではないのだろう。が、それにしても。 (長すぎないか) そろそろ促してみようか……。椅子から腰を浮かし掛けた時、ガチャリとバスルームの扉が開いた。 「っ」  夕人は眼を見開いた。 バスタオルを床に落とした淳美がそこに居た。 「あのっ、洗っても洗っても取れなくてっ……、」 声が悲鳴のようだった。 「上書きしてくださいっ」  彼女の、助けを求めている眼差しを縋るような手を、夕人は無視する事は出来なかった。 「僕の名前は夕人」 男は敦美を、優しくベットに誘いながら伝えた。 (ユージィン……外国の人なんだ)  金髪に東洋系の顔立ち。初め、日本人が髪を染めているのかと思ったが、違ったらしい。 「君の名前を教えて」 夕人の手が柔らかく彼女の?を包む。 「淳美です」 「アツミ……」 二人の唇が重なった。
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