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「わざわざそんなことのために電話したのか?」
『わざわざってお前な……親友として心配してんだろうが』
「ああ、わかってるよ。ありがとな」
笑いを引っ込めない俺の声に電話の向こうからは盛大なため息が返ってきた。
『ところで最近実家に顔みせたか?』
自分が思いついたままに話題をころころ帰るのは一之瀬の昔からの癖みたいなものでもう慣れた。
「そういえば、仕事がばたついててここ1年くらいは帰ってないなあ」
俺の応えに、一之瀬は一瞬言葉に迷ったように不自然な間を空けた。
『そうか。じゃあ雅人とも会ってないのか』
「な、なんで?」
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