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明け方出発した一行がヌルゴラの個体を発見するまで、さほど時間はかからなかった。二人が死んだ襲撃ポイントからおよそ半刻、その足あとを丹念に追い続け、見出したのはどういうわけか襲撃ポイントのほど近く。突然途切れた足跡の先に目をやると、オジャマッポ河の向こう岸に、敵はうずくまっていた。ヌルゴラ、結果的にはぐるぐる渦を描きながら渡河していただけなのであるが、長蛇なす討伐隊の誰一人それに気づかなかったのは、皆草原に刻まれた足跡を追うことに夢中だったためである。
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