第二章 ブレッド・ファイターズ編

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 ゲームをプレイした時に見た街並みを見回しながら、僕は歩いていく。 「こうやって見ると建物とか、そのままだ。ゲームの中に入って遊んでいる感じがするな~」  そう思いながら周りを見る。  果実を売るお店や洋服のお店などが立ち並び、獣耳の男が沢山歩いている。  あれ? 女の子は? と僕が思っているとようやく一人見つけた。  ここってもしかして男が多いのだろうかと気づく。 「……僕が獣耳の女の子が大好きだって知っているくせに、酷い」  そう僕は一人呟きながら進んでいくと……そこで僕は誰かにつけられている気がした。  くるりと振り返ると、誰かが路地に隠れたような気がする。  なので更に数歩進んでから、振り返る。    路地から黒い兎耳が見える。  これは……と思っているとそばを歩いている人がこんなうわさ話をしているのが聞こえた。 「おい、聞いたか? 今度の“ブレッドフェスティバル”で“王子”が“花嫁”を選ぶって話」 「聞いた聞いた。でもなんで今までお見合いを断り続けたのにそんなことになっているんだろうな」 「そうはいってもまたケチをつけてご破算にしてしまうんじゃないのか?」  などと話している。  それを聞きながら僕は、え? “花嫁”? と思ったが今度は別の人が、 「なんでも優勝すると“花嫁”か“賞金”が選べるらしいな」 「俺だったら“賞金”だな」  と話しているのが聞こえる。  どうやらどちらか選べるらしい。  それなら僕はもちろん“賞金”だなと思いながら僕は、森を目指したのだった。 ---------------------------------------------
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