一、 一人暮らし始めます!

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熱い刺激に目を見開く。信じられない。 「――好きなんだけど、聞こえてる?」 もう一度そう言われて、俺は横に何度も首を振る。 ブンブンと超高速で振ったあと、もがいて壁に沿って逃れた。 ――好き? 俺を? なんで? 「俺、清伍くんが同性だから嫌ってわけじゃなくて、――本当に人間を好きにならないって決めてるんだ。恋愛とか考えたこともなかった」 人間は好きにならない。俺を捨てたのも人間。 俺が猫だと知ったら、きっとまた捨てられるから。 だから彼は危険だ。ぐいぐいと、距離もなく近づいてくる。 彼は危険な人だ。 「じゃあ考えてくれよ。あんたが好きだ」  迷いなく距離を詰めてくるのは、俺に触れたいから。 俺の身体が欲しいからだ。 「一生、その言葉だけ聞こえない」 「じゃあ、耳元で言ってやる」 「や、やだ」 逃げ出して、寝室へ飛び込むと鍵をかける。 けれど彼は、真剣には追いかけてこなかった。 「……悪いけど、まじだから」
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