二、お手伝いさせていただきます!

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「お、おはようございます」 そそくさと横に隠れるが、実朝さんがクスクスと笑う。 「先生、髪が跳ねてますよ」 「寝癖が治らなくて」 そう言いつつ実朝さんを見ると、もう髪をセットしてあった。 隙がない、パリッとスーツを着こなした大人の雰囲気。 横でTシャツとジーンズの清伍くんとは大違いだ。 「お前、今俺のことだらしねえとか思ったろ」 「ひえ、思ってない、です」 「俺だって準備したかったのに、洗面所占拠されてたっつの」 あ、ああ。だからか。 スーツじゃない清伍君は年相応に見える。 ちょっとやんちゃそうな大学生というか。 いや、これでもちゃんとした社会人なのに。 「よっちゃん、おはよう」 清伍くんに抱っこされてバナナを食べているよっちゃんは、俺を見るや否や嫌そうな顔をする。 「バナナ、あげないけど?」 「……」 よっちゃんの中で俺はどんな存在になってるのか、知りたい。
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