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「お、おはようございます」
そそくさと横に隠れるが、実朝さんがクスクスと笑う。
「先生、髪が跳ねてますよ」
「寝癖が治らなくて」
そう言いつつ実朝さんを見ると、もう髪をセットしてあった。
隙がない、パリッとスーツを着こなした大人の雰囲気。
横でTシャツとジーンズの清伍くんとは大違いだ。
「お前、今俺のことだらしねえとか思ったろ」
「ひえ、思ってない、です」
「俺だって準備したかったのに、洗面所占拠されてたっつの」
あ、ああ。だからか。
スーツじゃない清伍君は年相応に見える。
ちょっとやんちゃそうな大学生というか。
いや、これでもちゃんとした社会人なのに。
「よっちゃん、おはよう」
清伍くんに抱っこされてバナナを食べているよっちゃんは、俺を見るや否や嫌そうな顔をする。
「バナナ、あげないけど?」
「……」
よっちゃんの中で俺はどんな存在になってるのか、知りたい。
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