二、お手伝いさせていただきます!

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「社長、40分遅れています」 「ごめん、寝坊しちゃって」 「ジジイ、アラーム全部鳴る前に止めて二度寝してました」 一階に一緒に降りると、マンションの前に似つかわしくないリムジンが置いてある。 しかも、チャイルドシート付きだ。 ショーットカットの、目つきが鋭い女性が不機嫌そうに立っている。 「悪いけど、清伍も朝会議があるらしくて。一旦会社についてから義仲を幼稚園に送ってもらっていい?」 「かしこまりました」 「頼む」 何故か清伍くんは、彼女には柔らかい表情で、よっちゃんを渡していた。 「ですが、幼稚園に到着するのが10時ぐらいになるやも」 「仕方ないです。よっちゃん、パパと一緒にドライブデートしようねー」 「いやだ」 俺はとっくに遅刻だから、まあいいかと他人事のように見ていたら、ハッと実朝さんが俺を見た。 「先生、乗って行かれませんか! で、幼稚園に義仲と一緒に降ろしていいですか!」
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