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「社長、40分遅れています」
「ごめん、寝坊しちゃって」
「ジジイ、アラーム全部鳴る前に止めて二度寝してました」
一階に一緒に降りると、マンションの前に似つかわしくないリムジンが置いてある。
しかも、チャイルドシート付きだ。
ショーットカットの、目つきが鋭い女性が不機嫌そうに立っている。
「悪いけど、清伍も朝会議があるらしくて。一旦会社についてから義仲を幼稚園に送ってもらっていい?」
「かしこまりました」
「頼む」
何故か清伍くんは、彼女には柔らかい表情で、よっちゃんを渡していた。
「ですが、幼稚園に到着するのが10時ぐらいになるやも」
「仕方ないです。よっちゃん、パパと一緒にドライブデートしようねー」
「いやだ」
俺はとっくに遅刻だから、まあいいかと他人事のように見ていたら、ハッと実朝さんが俺を見た。
「先生、乗って行かれませんか! で、幼稚園に義仲と一緒に降ろしていいですか!」
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