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その言葉が、いけないとは分かりつつも遅刻しそうな俺には天からの救いにも感じて、甘えることにしてしまった。
背中で、舌打ちする清伍くんの存在を感じつつも、遅刻するよりはましだったんだ。
「風月先生、助かります。今日は変わった様子はないです。迎えは清伍に頼みますんで」
車の中で朝の健康チェックをすることになるとは。
俺もうなずきながら髪の寝癖を直す。
初リムジンだけど向かい合わせって落ち着かない。
「五城楼の本家は全国各地に旅館やホテルを経営してるんですが、私もその全国のホテル内でアロマサロン、都内には四件経営してて、しかも清伍が継がないからしばらくまだ忙しくて」
「え、継がれないんですか?」
「清伍は、亡くなった妻の家の割烹料理の経営の方へ行きたいらしくて。それもまあうちのホテル内や都内で経営してるから私と同じぐらい忙しいはずなんですよ」
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