二、お手伝いさせていただきます!

7/51

1042人が本棚に入れています
本棚に追加
/199ページ
「うちの子は、蛇のように執念深いですよ。……好きなことに対する努力は怠らないと言いますか……自慢の息子です」 「そうですか。よっちゃんもいい子ですし、流石ですね」 思ってもいない言葉に、感情が乗らない。 義仲くんさえ俺に冷たい視線を向けてくる始末だ。 「……先生みたいなお嫁さんなら、私も清伍を応援したくなります」 「え、お嫁? え?」 「でもまあ、親子ですね。清伍に脈がないなら、私にしときますか?」 「ばっ、ご、ご冗談を。あはは」 危ない。馬鹿じゃねーの、と言ってしまいそうになった。 危ない危ない。 「ぱぱ、せんせい、おとこのこだよ」 「パパはもう女性はこりごりだよー。先生みたいに距離を持ってくれる人がいい」 「社長、リアルすぎます。ご子息に聞かせていいお話ではないのでは?」 秘書の冷たく鋭い一言に、あはは、と実朝さんは笑ってごまかした。
/199ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1042人が本棚に入れています
本棚に追加