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「エッチしたい、ガンガン突きたいって?」
「ば、馬鹿! 寝てるとはいえよっちゃんが居るのになんて言葉使いなんだ!」
「うるせえ。俺の言葉が悪いのは――あんたのせいだ」
「ひとのせいにするなよ」
ミラー越しに睨み合った後、どちらからともなく深いため息を吐く。
「送ってくれたのは嬉しいけれど、俺はやっぱ君がちょっと理解できない。その強い感情が憎まれているようにみえて怖いし」
マンションの駐車場で車が止まり、下りながら告げる。するとよっちゃんを抱きしめた彼が不満げに眉をしかめた。
「好きになるなと言うくせに、嫌われたら怖いってなんだよ。お前が存在していないみたいに振る舞えばいいのか。――俺の感情は全否定かよ」
「……でもそっちの方が俺はいい」
「っそうかよ」
乱暴に足で車のドアを閉め、ロックすると此方を振り返ることもなくマンションに入っていく。
これでいい。……きっと清伍くんはそんなに悪い人ではないけど、これでいい。
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