二、お手伝いさせていただきます!

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「あっ」 急いで車から降りたために、車の中に食材を置いてきてしまったいた。 枕だけは持っていたけれど、食材は足元にスーパーの袋に入ったままだ。 「……はあ」 さっきあんなに突き放した彼に、開けてくれと言えるほど俺の神経は図太くない。 仕方ないので一階のコンビニで何か買って帰ろう。 車の中に一晩置いていても腐るような食べ物ではないし大丈夫だ。 はあ、とまた深いため息。 相手や自分の気持ちを否定したり吐露すると、こんなにも気持ちが滅入ってしまうのはどうしてだろうか。しかも傷つけた自分の方が落ち込むなんて勝手すぎる。 そう思うけれど、彼を傷つけなければ自分を守れなかったと思うと自己嫌悪が酷い。 俺は誰も好きにならないのならば、誰にも会わない、密室で仕事をして人との関わりを絶つ方がいいんじゃないのかな。 「どうしたの? 三毛猫ちゃん」 「はあ」 「超落ち込んでるね。どうしたの?」 駐車場から出てコンビニへ向かおうとしていたのに、突然変な男に道を塞がれた。
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